読売新聞に掲載されました。(2005年11月30日)
大川市の耳鼻いんこう科医で、市内の中学校などで学校医を務めている松田知愛さんが、花粉症などのアレルギー性鼻炎になる子どもが増えている現状を踏まえ、12月1日、市役所で小、中学校長らを対象に講習会を開く。
「花粉などに無防備な環境にも一因がある」として、春先のマスク着用の徹底や、運動会の開催時期を春から秋に戻すなどの対策をとるよう訴える。
松田さんは1993年から、市内の4中学校と大川樟風、三潴の両高校で検診を担当している。
今年4月の検診で、アレルギー性鼻炎の症状が見られた中学生(1、3年生)は全体の76%にあたる491人、両高校では85%にあたる843人に達していた。
93年は中学生が50%、高校生が60%程度で、年々増える傾向にあるという。
アレルギーは花粉などの抗原に体内の抗体が反応して起こるとされている。
体内の抗体が増え、少量の抗原でも過敏に反応するようになると症状が現れる。
松田さんは「アレルギー体質の子どもが増えていることもあるが、花粉の多い時期に、予防策を講じることなく屋外で授業をしたり、運動会を開いたりすることで、抗体が増えて重症化している可能性がある」と指摘。講習会では、対策を徹底するよう呼びかけるという。
これに対し、市教委学校教育課は「カリキュラムとの兼ね合いもあり、すぐには対応できないが、話を聞いたうえで検討したい」としている。